白松黒露、雲南産ウイスキーを日本市場へ導入
近年、世界のウイスキー市場は安定的な拡大基調を続けており、蒸留酒カテゴリーの中でも堅調な成長が際立っている。2023年の世界総販売量は4億7000万ケース(1ケース=9リットル換算)に達し、蒸留酒全体で最大の市場規模を誇る。市場価値は2024年に615億ドル、2028年には718億ドルを超える見通しで、高級志向やフレーバーの多様化を背景に、個性的なクラフトウイスキーへの需要が国際的に高まっている。

国内市場も例外ではなく、ビールや日本酒を含む総合的な酒類需要が頭打ち傾向にある中で、ウイスキーは異例の成長を維持している。財務省の統計によれば、日本国内のウイスキー出荷量は2014年から2019年までの5年間で50%以上伸長。2024年の市場規模は約43億ドルに達し、2033年までには73億ドル規模に拡大する見込みだ。年平均成長率は6.1%が予測されており、消費者の間では産地独自の個性や職人技、ストーリー性への関心が強まり、高付加価値商品への支持が一層高まっている。

こうした潮流の中、中国雲南省・麗江で誕生したクラフトウイスキーブランド「白松黒露」が、日本市場への本格参入を開始した。雲南省駐日本商務代表処と一般社団法人日本雲南総商会の連携により、日本国内での販路開拓やプロモーションが進められている。

白松黒露は2020年創業の新興ブランドで、標高2400メートルの麗江高原に蒸留所を構え、高地特有の澄んだ水源と安定した気候を生かしたウイスキー造りを行う。周囲の原生林で採れる松茸や黒トリュフなど希少な天然素材を香味の要に据え、スコットランド産原酒を基に75時間に及ぶ長期発酵や伝統的なワームタブ冷却法を用い、独自の低温浸漬技術で芳香を最大限に引き出しているのが特長だ。

現在、日本市場には松茸ウイスキーと黒トリュフウイスキーの2種を投入している。松茸ウイスキーは清涼感と重層的な香りを、黒トリュフウイスキーは濃厚なコクと長い余韻を持ち味としている。両商品は「秩父ウイスキー祭」への出展を通じて日本国内でも注目を集め、業界関係者から高評価を得た。

また、創業者の曹旭(そう・きょく)氏は、日本雲南総商会の協力を通じて麒麟物流株式会社との意見交換を行い、その理念や製品に対して高い評価を受けている。白松黒露は国際的な評価も高く、IGC国際蒸留酒コンテストで銀賞を受賞したほか、イタリア・メラーノワインフェスティバルや香港ワイン業界からの認定も得ている。製品のパッケージデザインはドイツ・レッドドット賞の年鑑にも掲載され、美しさと品質の双方が評価されている。さらにシンガポールのアジアワイン&スピリッツ展にも出展し、東南アジア諸国のバイヤーから注目されたほか、広州国際酒展覧会や全国糖酒交易会にも参加し、「中国菌類ウイスキーのパイオニア」として高い評価を得ている。

白松黒露は、雲南高原の自然環境と伝統的な発酵技術を活かしたクラフトウイスキーとして、日本の高級酒市場への本格展開を進めている。

ブランドの日本進出にあたっては、一般社団法人日本雲南総商会が中心的な支援機関となり、マーケットリサーチや販路開拓、流通企業とのマッチング、広報戦略など、多角的なサポートを提供してきた。これまでも雲南省の農産品や食品の輸出支援に携わっており、今回のプロジェクトでも企業と日本側関係先との連携構築を担った。今後も日中間の経済・文化交流の促進役として、雲南ブランドの日本展開を後押ししていく構えだ。
高原の風土が生んだ「東洋の菌香」——白松黒露ウイスキーに、日本市場からのさらなる期待が高まっている。
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