RCEPに向けた雲南省のアクションプラン

2022年1月1日に発効した地域包括的経済連携協定(RCEP)は、サプライチェーンの統合、投資拡大、貿易の拡大、中小企業の発展など、多くの機会をもたらし、各方面から期待が高まっている。

中国(雲南省)昆明地区自由貿易試験区

中国が東南アジアや環インド洋地域への経済開放省として主要なゲートウェイである雲南省は、ASEAN諸国との地理的な接点とRCEP加盟国それぞれとの長年の協力基盤があるという利点がある。

  最近、雲南省は「雲南省におけるRCEPとのドッキングを加速するための行動計画」(以下、行動計画)を発表した。 この巨大なメリットの多い協定発効により、雲南はいかにして勢いに乗り、RCEPと深く鳩合し、「雲南を強力な国内市場と南・東南アジアの国際市場を結ぶ戦略的リンク」をどのように確実に実施するのか。また農産物、機械・電気製品、化学製品など有利な特産品の貿易発展をどのように促進するか。雲南の製造業をいかに統合しサプライチェーンを拡大させるのかについて発表した。

企業の発展を進化させ、貿易の可能性を深化させる

雲南省商務庁、中国(雲南)自由貿易試験区指導グループ弁公室の張平主任は、このアクションプランの重要な要素として様々な貿易協力について紹介した。このプランでは、RCEPの関税譲許(協議の上で互いに許可し合うこと)の主要製品、特に雲南省に生産基盤や市場に強みを持つ製品や市場に焦点を当てている。

雲南省鉄道コンテナ輸送ターミナル

雲南省がASEANに輸出している伝統的で有利な製品は、果実、野菜、花、漢方、機械・電気製品、化学製品であり、このうち果実、野菜、花は中国・ASEAN「10+1」FTAですでにゼロ関税を達成していると例示して説明した。

 例えば、RCEP発効直後のインドネシア市場では、内燃機関を搭載したバイクの関税が10%からゼロに引き下げられるなど、輸送機器に対する新たな関税引き下げも増えている。 また、RCEPでは、インドネシア、フィリピン、ブルネイ、カンボジアがそれぞれテレビ、エアコン、洗濯機などの商品について、インドネシア、マレーシア、フィリピン、カンボジアがそれぞれ衣類などの商品について関税削減の取り決めをしています。 そこで、アクションプランでは、「RCEPの関税削減を重視し、貿易協力の可能性の深化」の項目で、ASEAN諸国に対し特別農産物の輸出を促進し、電気機械製品、化学製品、輸送機器、家電、繊維、金属製品の輸出を増加することを提案している。 また、日本の電気機械製品、繊維、雑品などの輸出は、RCEP発効から15年後に基本的に関税ゼロを達成することが決まっている。アクションプランでは、「日本と韓国市場の新関税引き下げ品目に焦点を当て、電気機械製品、繊維、雑貨の輸出を積極的に促進する」ことを提案している。

 また1月21日に正式にスタートしたRCEP雲南省企業サービスセンターのオンラインプラットフォームを紹介し、企業はこれを通じて雲南省のRCEP調査結果、市場情報、雲南省のRCEP研修手配、またRCEP協定条件、関税、原産地規則などの情報を照会し、オンライン相談と質疑応答を実施することができる。

 次のステップでは、商務部は引き続き新しい変化と新機能を重視し、RCEP「一国一策」「一線一策」「一品一策」「一企業一策」の研究を駆使し、企業サービスやトレーニングに力を入れ、企業に対し堅実なビジネスと実行を深化させたいとしている。