第9回中国-南アジア博覧会、2025年6月開催
南アジア市場への拠点として、注目と期待を集める雲南省
―― 越境経済のハブで、日本企業の“次の成長軸”を見つける ――
2025年6月19日(木)から24日(火)にかけて、雲南省の省都・昆明にて、第9回「中国-南アジア博覧会(以下、南博会)」および第29回「中国昆明進出口商品交易会」が同時開催される。会場となる昆明滇池国際会展中心には、16万㎡に及ぶ広大な展示スペースに16の専門館が設けられ、アジア域内外の企業・機関が集結する予定だ。 南博会は中国商務部と雲南省人民政府の共催、南アジア各国の貿易当局との共催協定に基づいて運営される国家級博覧会であり、これまで累計で3万社以上が出展、取引総額は3兆元(約62兆円)を超える。中国内外より中国と南アジア間の貿易・投資のプラットフォームとして高い評価を受けてきた。

習近平主席の“南方開放”方針と雲南の役割
2025年3月、習近平国家主席は雲南省を視察し、「雲南は南アジア・東南アジアへの高水準な開放の先頭に立つべき」と明言した。これは単なる地域発展方針ではなく、同省を「一帯一路」構想の南方通路、ならびに中国・ASEAN+南アジア経済圏の物流・政策・人材ハブとして本格活用するという、方針を表明した。昆明市はこの流れを受け、国際経済都市としてブランディングと外資誘致を強化。既に開通済みの中国―ラオス鉄道による貿易ルートの増強、やデジタル貿易実験区の整備により、周辺諸国との結節点としての機能を高めている。日本企業にとっても、ASEANを超えて南アジアへ進出する「南回りの貿易・製造拠点」として、新たな可能性を見出す場となるだろう。」
展示規模と構成:過去最大級の16万㎡、日本企業に特に注目される重点分野も多数。
今回の博覧会では、従来の製造業、エネルギー、農業、貿易に加え、ライフスタイル、観光、高齢者福祉、健康産業、中医薬といった日本企業と親和性の高い分野を大きく展開されている。特に注目すべきは、以下の展示館である:
- 第3号館「高品質生活館」:日用品・雑貨・クリエイティブ製品など、生活提案型ブランド
- 第10号館「旅居雲南館」:シニア向け住居・介護設備・医療連携・観光不動産など、旅行と雲南での長期滞在を提案
- 第12号館「現代農業館」:食品原材料、スマート農業、植物工場技術を中心とした展示館
- 第13号館「コーヒー産業館」:雲南産コーヒーとの共同ブランド開発やサプライチェーン構築支援企業が出展
- 第16号館「漢方薬材産業館」:主に健康食品・漢方医学とのOEM・研究開発など
これらの分野は、日本の技術、製品品質、ブランディング力との相乗効果が期待される領域であり、単なる展示参加にとどまらず、現地企業との共同開発・輸出入・現地法人設立など多様な連携形態が模索されている。
昆明市の「ゼロ遅延・ゼロ放置」政策とパートナー型支援業務を推進
今回の南博会では、昆明市政府が全参加企業に対して「ゼロ遅延・ゼロ放置」の行政サービスを掲げ、政策相談から事業実行、ビザ・通関・人材支援に至るまで、出展後の実務支援を強化する体制を構築している。また、今回よりフランスGL events社との共同運営や、南アジア官民学連携プラットフォームとの接続など、国際スタンダードに即した展示運営が行われる点も、海外企業にとって安心材料となっている。
具体的な参加形態と出展費用
出展形態は「標準ブース」と「自由設計ブース(Raw space)」の2種が用意されており、日本企業向けにも日本語対応窓口を通じて申し込み可能。
出展タイプ | 面積 | 価格 | 内容 |
---|---|---|---|
標準ブース | 3m×3m | 11,000元(約23万円)/小間 | 社名パネル(中英)、照明、机、椅子、電源、カーペット |
自由設計ブース | 36㎡以上 | 1,000元/㎡ | 自社仕様で設計・装飾可能、ブランド表現に最適 |
展示期間中の関連イベントと日本企業への特典
南博会では、展示以外にも多様な関連イベントが並行開催される。
・南アジア商品(茶葉)フェスティバル
・国際公共調達と南アジア向けマッチング会
・日中企業向け「Invest in Yunnan」商談セッション
・日本企業向けの商談・通訳支援サービス
さらに、「永不落幕南博会」(第14・15号館)では、年中常設の輸入商品展示館に日本製品の継続出展も可能であり、長期販路の実装実験場としても活用できますので是非ご活用下さい。
■詳しくはこちらよりお問合せ下さい。
日本雲南総商会
東京都千代田区神田神保町1-42-4 VORT神保町Ⅱ 5階
TEL 03-6811-7288 Mail oro@yunnan.jygma.org
■ 海外企業・現地企業の声
雲南希爾生物科技有限公司の王耀華・総経理は、「我々は3度目の出展となるが、南博会のおかげで製品はすでに南アジア・アフリカ市場に進出した。“雲品出海(雲南製品の海外進出)”が実現できた」と述べた。
また、スリランカのDEOグローバルトレーディンググループCEO・スーナロ氏は、「中国市場の成長力に期待して初出展を決めた。すでに昆明に現地法人を設立しており、南博会を通じてさらなる協力パートナーを探したい」と語った。