雲南省ー日本経済懇談会開催報告

2023年へ向けて・・・日本と雲南省の企業交流を更に活発に

日中国交正常化50周年と雲南省駐日本商務代表処開設2周年を記念し、雲南省商務庁及び雲南省駐日本(東京)商務代表処が主催する「雲南省日本経済懇談会」が12月14日、京王プラザホテルで開かれた。今回のイベントは、日本企業を対象にコロナ禍でも成長著しい雲南省の経済を中心に紹介し、雲南省駐日本(東京)商務代表処を窓口に、より身近な雲南省を知っていただく事を目的に開催した。共催は一般社団法人日本雲南総商会、認定NPO法人日本雲南聯誼協会、後援は中国駐日本大使館経済商務処により、コロナ禍を乗り越え、2年ぶりに企業が集まるリアルな経済懇談会となり、日本企業を中心に50社が参加、各界より来賓が多数参列するなど盛会となりました。

開催概要

主催:雲南省商務庁、雲南省駐日本(東京)商務代表処
共催:一般社団法人 日本雲南総商会、認定NPO法人日本雲南聯誼協会
後援:中華人民共和国駐日本国大使館 経済商務処

日 時: 2022年12月14日(水) (日本時間)
会 場: 京王プラザホテル 

第一部の懇談会には、来賓として中国駐日本大使館・宋耀明経済商務公使、認定NPO法人日本雲南聯誼協会の初鹿野恵蘭理事長、日本外務省アジア大洋州局中国モンゴル第一課の斎藤憲二地域調整官、キヤノングローバル戦略研究所の瀨口清之研究主幹、日本貿易振興機構(JETRO)小栗道明総務課長、日本アジア共同体文化協力機構の小松道彦理事、在日中国企業協会の王家馴会長、中国駐東京観光代表処の欧陽安首席代表、東方航空日本支社の李軼社長、株式会社ナンセイスチールの劉国利社長、株式会社スマイルの大野敦社長、坂本英樹常務、みずほ銀行中国営業推進部の手嶋徹也部長、一般社団法人日本雲南総商会の関晃典代表理事、山下博顧問がご出席になりました。また、主催の雲南省商務庁・寸敏副庁長は雲南からオンラインでの出席となりました。

第一部 雲南省ー日本経済懇談会

冒頭、開会のあいさつは、雲南省駐日本(東京)商務代表処首席顧問、日本雲南聯誼協会・初鹿野惠蘭理事長により「雲南省商務代表処は2020年5月の開設以来、日本・雲南双方向での投資や貿易の促進、経済交流と協力に尽くしてきた。今日の懇談会を通じて雲南を身近に感じてほしい。また、今年の10月25日には東方航空が昆明・成田の直行便の運航を始め、雲南と日本の往来がさらに便利になった。来年、雲南省商務代表処と日本雲南総商会は、雲南省へのビジネス視察と商談会のための団体訪問などを企画しているので、ぜひ企業家の皆さん自身が雲南を訪れ、雲南省の企業との経済交流、協力を進めてほしい」と挨拶を行いました。

雲南省駐日本(東京)商務代表処首席顧問、日本雲南聯誼協会・初鹿野 惠蘭 理事長

次に主賓の中国大使館・宋耀明経済商務公使のご挨拶では「大使館を代表し、長年にわたって中日の経済協力および雲南と日本の交流をサポートしていただいた日本雲南聯誼協会を始め、皆さんに感謝したい。今年は中日国交正常化50周年の節目に当たり、両国の友好発展にとって重要な一里塚だ。過去50年、中日の経済協力は長足の発展を遂げ、昨年の中日貿易額は3700億ドルに達した。現在、日本企業の対中直接投資は1270億ドルに達し、中国には3万社を超える日本企業がある。世界経済が回復の兆しを見せる中、中日経済協力がこれまでの基礎の上にさらに発展することを望んでいる。来年は中日友好条約締結45周年に当たり、また中国の改革開放45周年でもある。中日両国は、特に経済界の皆さんがこの機会を逃さず、中日協力の基礎をさらに確かなものにし、雲南省を通じて東南アジア、南アジアの第三国と事業をするチャンスを作り、さらに高いレベルの互恵協力関係を実現してほしい。その実現に向けて中国大使館はこれまでどおり積極的にサポートしていく」と挨拶をいただきました。

中国駐日本大使館・宋耀明経済商務公使

続いて、外務省アジア大洋州局中国モンゴル第一課の斎藤憲二地域調整官は「今年は日中国交正常化50周年の重要な節目だ。コロナ禍の影響はあったものの、経団連を中心とした50周年交流促進実行委員会は200以上の交流活動を行っており、安定した関係を維持できていることに、安心している。重慶総領事館に勤務していた際、担当地区である雲南省を何度も訪れた。雲南省は観光資源に恵まれているだけでなく、中国と東南アジア、南アジア各国との貿易窓口でもある。多くの日本企業は上海などの沿海部の発展に目を奪われがちだが、もっと南西部の雲南に目を向け、雲南でビジネスチャンスを探ってほしい。また雲南省も日本企業の投資に対し、さらなるサポートと援助をお願いしたい」と力強く雲南を押していただきました。

外務省アジア大洋州局中国モンゴル第一課 斎藤 憲二 地域調整官

次に主催、雲南省商務庁の寸敏副庁長はオンラインにて非常に流ちょうな日本語で挨拶をし「雲南省は中国の南アジア、アジアに向かうゲートウェイだ。中越鉄道(中国―ベトナム鉄道路線)はすでに全線開通1周年を迎え、ベトナム、ラオス、ミャンマーへの国際ハイウェイの中国国内部分の道路網も全線開通しており、雲南省の南アジア、東南アジアにむけた利便性、優位性はますます際だっていると紹介した。雲南省も日本との貿易を重視しており、2021年の雲南省の対日貿易額は9.2億ドルに達し、前年同期比106.8%増加した。コロナ政策の緩和以降、企業の方々が雲南省にビジネスや観光に訪れ、経済への貿易協力を進めることを心より歓迎する」と雲南省を代表し挨拶を述べました。

雲南省商務庁 寸敏 副庁長

日本貿易振興機構(JETRO)の小栗道明総務課長は「最近の調査によると、コロナ禍の影響で対中投資拡大に慎重な日本企業が若干増えている。しかし、内閣府の外交に関する最新の世論調査では、中国に親近感を抱く日本の若者は増えている。調査対象の多くは中日関係の友好発展を非常に重視している。中国の南西部は、この10年近く経済成長の最も早い地方だ。雲南省は無限の可能性を秘めている。みなさんも実際に雲南に行かれて、ビジネスチャンスを探って欲しい。JETROも皆さんにいろいろな情報を提供する」と雲南省への進出について支援を惜しまないとエールをいただきました。

日本貿易振興機構(JETRO)小栗 道明 総務課長

来賓の挨拶の後、NPO法人日本雲南聯誼協会理事で雲南省商務代表処の顧問も務める林則幸により、日本雲南聯誼協会の22年に渡る教育支援から始まった、経済分野を担当する雲南省商務代表処及び日本雲南総商会の長年にわたる雲南と日本の経済貿易、文化、教育などの分野での協力、交流について紹介。あらためて会場の参加者の方々へ、日本雲南総商会への加盟と日本雲南聯誼協会の教育支援への理解と協力を求めました。

日本雲南聯誼協会理事、雲南省商務代表処 林 則幸 顧問
経済特別講演

懇談会の最後を飾る経済特別講演では、キヤノングローバル戦略研究所主幹、瀬口清之様を招き、「中国経済の発展と雲南の繁栄」と題し講演を行いました。

キヤノングローバル戦略研究所主幹、瀬口 清之氏

瀬口氏は中国経済の発展に対し、雲南省経済情況について分析を行ったところ、2017年頃から雲南省のGDP成長率は中国全体の平均成長率を上回り始めたことに着目。これは雲南省内および全国、周辺国との交通、物流の急速な活発化によってもたらされており、「一帯一路」経済圏政策とRCEPの発効による要因によって、高い経済成長率を維持している。現在、雲南省は全省GDP順位において17位まで上昇しており、2030年ごろまで雲南省の経済は高度成長を続けると分析した。また、雲南省はクリーンエネルギー、グリーン食材、健康生活目的地という「3枚看板」の成長戦略を掲げており、これらの分野において技術力のある日本企業にとって大きな投資チャンスが広がり、事業展開もし易い環境が既に整っている」と述べました。

また「近年、中国の経済成長のスピードは減速したものの、欧米の主要企業は一貫して中国を今後10年にわたる最も魅力的な投資対象だと位置づけている。来年は中国のコロナ感染予防策が徐々に緩和されるのに伴い、多くの日本企業に中国投資のビジネスチャンスをつかんでほしい」と、エールを送りました。最後に瀬口氏は「中国の発展はすなわち日本の発展であり、日本の発展は中国の発展だ」と締めくくり会場からは大きな拍手が巻き起こりました。

第二部 懇親会

日本雲南総商会の関晃典理事長及び在日中国企業協会の王家馴会長があいさつし、王会長の乾杯で懇親会が始まりました。

日本雲南総商会 関 晃典 理事長
在日中国企業協会 王家 馴 会長

参加した日本企業代表の方々は、次々と名刺交換をするなど、相互交流が活発に行われ、日中国交回復50周年を締めくくるイベントとして、雲南省への新たな認識と印象付けをした「雲南省―日本経済懇談会」は盛況の裡に終了しました。

雲南省駐日本(東京)商務代表処及び日本雲南総商会は日本企業の皆様へ、雲南省企業を繋ぐ雲南省代表パートナーとして、円滑な事業の拡大を支援しております。何でもお気軽にご相談下さい。