雲南省2021年上半期の対外貿易収支
雲南省は上半期の対外貿易収支を発表した。対外貿易の輸出入額は、1,493.4億元で、前年同期比58.4%増、増加率は31.3ポイントと全国を上回っている。 そのうち、輸出は820.9億元(前年同期比116.8%増)、輸入は672.5億元(前年同期比19.1%増)、貿易収支は148.4億元の黒字となった。
半期のうち一般貿易の輸出入額は1,028億8,000万元で、前年同期比76.9%増、同時期の全省の輸出入額の68.9%を占めた。 国境貿易の輸出入額は305.5億元で、前年同期比41%増、20.5%を占め、加工貿易の輸出入は128億7,000万元、前年同期比4.8%の増加となったことで前年度に引き続き堅調な伸びを見せた。
主な伸長理由として主要貿易相手国との輸出入が順調に伸びており、米国とEUでは2倍に増加した。同期間における同省の対米輸出入額は122.4億元で、前年同期比12.7倍、 EUへの輸出入は74.3億元で、前年同期比122.5%の増加となった。また雲南省の最大の貿易相手国であるASEAN諸国の輸出入額が前年同期比37.9%増の655.4億元で、雲南省の総輸出入額の43.9%を占める結果となっている。その他に「一帯一路」に参加している国や地域、RCEPの取引先への輸出入がそれぞれ33.3%、44.2%に増加しており、全地域で輸出入額が伸びた。
今期、堅調な輸出を支えた産業別要因として電気機械製品や労働集約的な製品の輸出が増え、電気機械製品の輸出額は305.2億元、218.7%の増加、労働集約型製品の輸出額は108.3億元(前年同期比498.9%増)で、13.2%となった。また主要産業であった農業関連の輸出額は122億3,000万元、前年同期比8.7%減となった。内訳は果物が52.2億元(前年同期比3.9%減)、野菜と食用キノコは37.9億元(前年同期比4.5%増)となったがこれは、春先の天候不順が原因となったため、下半期は順調に推移すると見られている。 また、肥料の輸出額は76億6,000万人民元で、前年同期比68%増となった。
輸入では、金属鉱石や農産品の輸入が増加し、原油輸入減少率の縮小傾向が継続している。 上半期に同省が輸入した金属鉱石は、前年同期比37%増の172.5億元で、同期の雲南省の対外貿易輸入の25.7%を占めた。 そのうち、銅鉱石の輸入は110億元、前年同期比23.8%の増加となった。 農産物の輸入は97億元で、前年同期比80.2%の大幅増加となった。 そのうち、大豆の輸入は44.7億元で、前年同期比95.1%増顕著に増加しており、いずれも内需を支える製造加工業の旺盛な需要によるものと見られる。 また原油輸入は114億2,000万元(前年同期比15.7%減)で、前年同期比12.5ポイントの減少にとどまり、天然ガスの輸入は45億7,000万元(同12.8%減)だった。
上半期は内需拡大を受け主力民間企業の売上高も堅調に推移する結果となった。雲南省の民間企業の輸出入額は827.9億元で、前年同期比108.1%増、同時期の省内輸出入総額の55.4%を占めた。 国有企業の輸出入額は454.7億元(前年同期比15.4%増)となっており、ASEAN周辺諸国との取引増が主な要因となっている。また外商投資企業の輸出入額は15.3億元(前年同期比40.2%減)となっており、新型コロナウィルスによる影響とみられる。雲南省は、内需及び製造加工分野での輸出入が伸びおり好調を堅持していることから、今年度もGDPの下落は少ないと期待されている。